イフダン注文
取引注文の形態は基本的に3つであることは、これまでにもお話ししています。
成行注文、指値注文、そして逆指値注文です。この3つの注文を使いこなせれば、トレードはほとんど自由に行えます。
極論すると成行注文ひとつだけでも十分なのです。しかしながら、いろいろな種類の注文形式が用意されています。
その代表としてイフダン注文があります。IFD注文などともいいます。これは2つの指値注文を組み合わせたものです。
「買いのイフダン注文」と「売りのIFD注文」の2パターンがあります。
買いのOCO注文の場合だと、買いの指値注文がまずは発動して、これが約定となってから売りの指値注文が有効となります。
OCO注文
ポジションを作ったら、あとは相場に任せるしかありません。
しかし自分がポジションメークした後に相場がどちらに動くのかはわかりません。そこで活躍するのがOCO注文です。
例えば買ってロングにした場合、次は売らないといけません。しかし高く売れればよいものの、不幸にも安くしか売れない場合があります。
高く売れたら利食いとなりますが、安くしか売れない場合は損切りとなります。
これらは指値注文と逆指値注文を使って対処できるのですが、これを2つセットにしたものがOCO注文です。
OCO注文では実際の相場において、先にマーケットでついたほうを有効として、残った方は自動的にキャンセルとなります。
したがって指値注文と逆指値注文の両方で売ることはありません。OCOとは「if One done, Cancel the Other」の略です。
OCO注文はポジションクローズで使うと便利です。ロングポジションをクローズするためには「売りのOCO注文」を使います。
またショートポジションをクローズするためには「買いのOCO注文」を使えばよいです。
OCO注文を入力するには、指値と逆指値の2つの値段を指定しないといけません。
イフダンOCO注文
イフダン注文ではポジションメークした後の損切り部分が担保されていません。
そこでイフダン注文に損切りをくっつけたものを、イフダンOCO注文といいます。IFDOCO注文などとも表記されます。
イフダンOCO注文のポジションメークの部分は指値注文になっており、ポジションクローズの部分はOCO注文になっています。
これらがイフダンで結びつけられているだけです。イフダンOCO注文には「買いのイフダンOCO注文」と「売りのイフダンOCO注文」があります。
イフダンOCO注文では、3つの値段を指定することになります。
板
東京証券取引所といったような取引所で受け付ける注文は、成行注文と指値注文だけです。
逆指値注文というのは証券会社が受け付けるのであって、取引所という公の場には出てきません。
逆指値注文の発動はマーケットをウオッチしている各証券会社のコンピューターからの成行注文として、取引所に発注されるだけです。
したがって取引所の公表している注文状況だけを見て、目先のニーズを判断することは意味がないだけではなく、危ないともいえます。
取引所の出している注文情報を縦に並べたものを板といいます。
この板には指値注文しか反映されていないのですから、存在するはずの注文数のおよそ半分しか見えていないことになります。
逆指値注文が見えていないのですから、多くの売りがあるように見える値段があったとしても、実は買い戻しのほうが多い場所かもしれないのです。
もちろんイフダン注文、OCO注文、イフダンOCO注文などの組み合わせ注文も、その半分以上は取引所には出てきません。
板情報をそのまま信じてしまうのは、たいへん危険なことなのです。