証拠金残高
証拠金取引では証券や商品といった現物の受け渡しはしない代わりに、証拠金勘定でのお金の授受が行われます。
この証拠金勘定の残高がもっとも重要なものとなります。
証拠金残高こそが自分の主張できる権利なのであり、どのように推移しているのかを理解していないといけないのです。
はじめは証拠金残高はゼロから始まるはずですし、そこに10万円を入金するとそれが反映されます。
何も取引していなくても、証拠金勘定を確認すれば、前日の口座残高には10万円が載っていて、これはいつでも引き出し可能な状態となっているのがわかります。
必要証拠金
さて次に何か取引をしたとしましょう。
その取引では証拠金として4万円が必要であり、手数料として500円かかったとします。
これらの金額がそれぞれ元手の10万円から差し引かれて、引き出し可能額は59,500円となります。
取引直後なので損益はゼロなのですが、この時点ですでに10万円を引き出すことはできなくなっています。
評価損益
少し時間が経って相場が動いたとします。
それによって評価益が5000円だけ発生していたとなると、それにともなって証拠金残高も変わってきます。
引き出し可能額を見ると、評価益の分だけ引き出し可能額が増えているのがわかります。
1日の終わりでは値洗いが行われます。
この5000円儲かっている状態で値洗いを迎えたとしましよう。
その日のうちに発生した取引手数料や評価損益はすべて前日口座残高である10万円の中に繰り込まれます。
前日の口座残高が増えたということは、評価益を実現益に振り替えたことを意味します。
しかるにそれまでに抱えていた評価損益はゼロになり、次の日は前日の終値でポジションを作ったのと同じことになります。
つまり評価損益は引きずらないということです。
ポジションクローズ
そして持っていたポジションをクローズしたとしましょう。
再び取引手数料が発生し、損益も幾分かは変化しています。
ポジションはもう持っていないので、必要証拠金はゼロとなり、出勤可能額は自分が使った分や儲けた分だけが反映されることになります。
証拠金とは
証拠金はポジションを持つために支払い能力を示すための担保です。
つまり見せ金なのです。
見せ金だから取引が終わったら、すべて戻ってくる性質のものです。
ですからあまり証拠金の大きい小さいで気を使う必要はありません。
目的は儲けを出すことです。
ですから証拠金はちょっと余裕を持って、あらかじめ余分に証拠金勘定に積んでおくのがよいです。
レバレッジ
ポジションを持つのに、その売買代金の授受が必要でないというのが証拠金取引でした。
売買代金に対して必要となる証拠金の割合のことをレバレッジ率といいます。
ミニ日経の1枚は必要証拠金が5万円ほどです。
売買代金が200万円ちょっとなので、レバレッジは40倍くらいだということになります。
また日本のFXではレバレッジが最初に決まっていて25倍までとされています。
ドル円10万ドルの売買代金が1100万円なのですから、必要証拠金は44万円だということになります。
レバレッジは大きいほど、必要となる証拠金が少なくなります。
証拠金が少ないからたくさんのポジションを持てると考えるのは良くないでしょう。
ポジションを持つのにも少ない証拠金で済むのだと考えるべきなのです。
証拠金不足
ポジションを持っていて評価損が大きくなってくると、証拠金は維持できなくなります。
その例を見ていきましょう。
最初に10万円を入れておいた証拠金勘定において、75,000円の評価損を抱えた場合を考えてみます。
まだ損失額は10万円に達していないところですが証拠金を差し引くと、出金可能額がマイナスとなります。
こうなると追い証がかかることになります。
この時点で出金可能額がプラスになるまでお金を振り込むか、ポジションをカットして必要証拠金を減らすかしないといけないのです。