第7回 証拠金取引

第7回 証拠金取引

何を狙っているのか

ドル円で10万ドルの取引をすると、値段が1円動けばその損益が10万円発生することになります。


裏を返せば為替の取引で10万円や20万円の勝負をしようとしている人の場合は、10万ドルのポジションを持つべきだということになります。


しかし10万ドルを買うには、それに見合う売買代金を支払わないといけません。


つまり1000万円ほど用意しないといけないわけです。


10万円とか20万円を狙っているのに、1000万円も出さないと取引に参加できないというのは、間尺に合わない感じがしませんか。


そもそもドルを買うといっても、物理的にドルを入手するのが目的ではないはずです。


ドル円の為替レートの動きによって差損益を享受するのが第一義的な目的なのです。


興味の主眼は10万円とか20万円のほうにあるのです。


そこで何とか1000万円も用意しないで済む方法はないものかと工夫された手法が、証拠金取引なのです。


証拠金取引という形態はFXなどに見られる現物のCFD取引や、株や債券などの先物取引に多く採用されています。


それだけ便利なツールだと言うこともできます。


証拠金取引の特徴は3つです。差額決済と値洗い、そして証拠金勘定の3つとなります。

証拠金取引の特徴

差額決済

証拠金取引には売買代金の授受は発生しません。


すべての取引は反対売買することが前提となっており、その差額だけで済ませてしまおうというものです。


これによって値段の差だけを気にとめればよくなるわけで、売買代金の手当など大きな資金を工面する必要はなくなります。


しかし何の保証もないのにポジションを持たせてくれることはありません。


損が出た場合でも、最終的には反対売買をして支払ってくれることを担保できないといけません。


このために必要なものが証拠金です。


例えば日本のFX業者だと、10万ドル持つために必要な証拠金は約40万円です。


40万円を取引口座に入れておかないと、取引できない仕組みになっています。


40万円だったら売買代金の1000万円などに比べると、格別に用意する資金が少なくなることがわかります。

値洗い

マーケットの値段は時々刻々と動きます。


自分の持っているポジションをそのときの値段で反対売買したならばどのくらいの損益になるでしょうか。


これを評価損益といいます。いうまでもなく評価損益も時々刻々と動くことになります。


FXなどスマホでもトレードできる形態の場合、その取引システム上で評価損益をリアルタイムで確認することができます。


評価損益はポジションを持っている間に発生するものですが、一方でポジションをクローズしてしまった結果に表れる損益を実現損益といいます。


証拠金取引では1日のある時点、例えば1日の終わりの時点の実際の取引価格で、評価損益の評価替えを行います。


これを値洗いといいます。値洗いした後は、その評価替えされた値段が自分のポジションの保有コストということになります。

証拠金勘定

証拠金取引は証拠金勘定という口座を使って、すべてを一元的に処理します。


ポジションを持ったときの証拠金の出し入れや、取引手数料の差し引き、取引した結果として発生する損益などです。


FXのような為替取引ではスワップポイントの受け渡しも、この勘定を通じて行われます。


証拠金取引である以上は、損を出し続けているわけにはいきません。


証拠金勘定がマイナスになることもありうるからです。


業者によって違いはあるものの、必要な証拠金が維持できなくなってくると、「追い証」といって何かしらの行動を迫られます。


第一にはすぐに新規のお金を証拠金勘定に積み増すことです。


これは銀行振り込みなどによって行う。


次にポジションをカットすること。


これによって必要証拠金の量が軽減されるからです。


最後まで何もアクションを起こさなかったら、業者が強制的にポジションカットを行うことになっています。


証拠金取引では1日に1回か、それともリアルタイムで値洗いしているので、評価損が大きく出ていたら、そのまま放置することは許されません。