売買代金
1個80円のリンゴを4個買ったら、320円支払わなければいけません。
ここで4個というのをロット数、80円を単価、320円を売買代金といいます。
簡単な小学生の算数の問題ですが、これは金融商品の損益を考える上でも基本となります。
金融商品の場合は1ロットがどのくらいのサイズなのかという問題も絡んできます。
株だと1ロット、すなわち1枚といったら普通は1000株分のことを指します。
100円の値段がついている株券を3枚買うとしたら、売買代金は30万円になります。
計算式を説明するまでもないかもしれません。
FXの場合はどうでしょうか。
1ロットが10万通貨単位だとすると、ドル円で1ロットは10万ドルということになります。
1ロットのドル円を110円で買ったとすれば売買代金は1100万円になります。
ドル円の損益
ドル円を110円で買ったものを、112円で売ったとしましょう。
最初に買った時点では売買代金は1100万円です。
これは買ったドルの対価だから支払いとなります。
これを便宜上、「-1100万円」と表記してみます。
すると112円台で売ったときには売買代金である1120万円を受け取れるわけですから、表記上では「+1120万円」です。
この二つの売買代金をふつうに算数で足し合わせると+20万円になりますよね。
つまりこれが、利益として残るのです。
しかしこのようにわざわざ売買代金など計算しなくても、損益計算だけだったら簡単にできます。
ドル円を10万ドル持って、為替レートが1円動けば10万円の損益が発生すると覚えておけばいいのです。
そうしたら2円動いたら20万円の損益になるだけです。
しかし取引件数が膨大になった場合や、ロット数がマチマチになった場合など、エクセルで一元管理したいような場合は、売買代金を個別に計算し尽くして、それらを合計するのが実務的です。
ユーロドルの損益
ドル円は「1ドルが何円か」で価格表示されていますので、売買代金は円で発生します。
それに比べてユーロドルは「1ユーロは何ドルか」で表示されるので、売買代金はドル建てとなります。
ユーロドルの損益の計算はドル円の場合と同じですが、損益として出てくるのがドルなので、そのドル価を円に引き直す必要があります。
ユーロドルの1ロットが10万通貨の場合ではどうでしょう。
つまり1ロット買うということは、10万ユーロを買ったということになります。
値段は1.1250だったとします。
売買代金は「-112,500ドル」になります。
それが1.1280に値上がりして売ったとしたならば、売買代金は「+112,800ドル」です。
合計すると+300ドルとなりますから、これが利益になるというわけです。
これを円価に引き直すためには、ドル円のレートをかけ算すればよいです。ドル円レートが110円だったとしたら、利益は33,000円だと言うことになります。
日本のFX業者の場合はユーロドルの取引をしても、損益として発生するドル価は自動的に円に換えてくれるケースが多いです。
ですからドルが残ってしまうなどというようことを、あまり心配する必要はありません。
日経先物の損益
そもそも先物取引には売買代金とか元本といった概念はありません。
しかし便宜的に売買代金を考慮することによって、損益計算のイメージがわきやすくなります。
日経先物は1枚が1000株分だと決められていますので、値段が2万円だとすると、売買代金に当たるものは2000万円となります。
したがって1枚持って30円の動きがあれば3万円の損益が出ることになります。
なお日経先物にはいろいろなサイズのものがあります。
サイズが100株分の日経先物があり、これをミニ日経といいます。
10分の1のサイズなので、1枚で出る損益も10分の1となります。
これに比べて元の1000株分の日経先物をラージ日経と言ったりもします。
ラージ日経とミニ日経はJPXに上場されている金融商品ですが、海外でも日経先物は取引されています。
シンガポールやシカゴの取引所においてです。ここでのサイズは500株分ですから、つまりラージ日経の半分になります。