第9回 スポットとフォワード

バリューデート

毎日、取引するたびに注文を出しているが、取引が成立することを約定といい、取引が成立した日をトレードデートといいます。


土日や祝日を除いて、普通の日であればいつでもトレードデートになりえます。


しかしトレードデートですぐに取引された契約内容が実行されるわけではありません。


金融商品であれば金融資産の引き渡しや資金の授受がそれに該当しますが、その受渡日のことをバリューデートといいます。


バリューデートは自由に決めることができますが、トレードデートの後に来るのは当然のことです。

スポット

テレビや新聞で出ている株価や為替レートというのは、特定のバリューデートの値段を指しています。


この特定のバリューデートのことをスポットデートといいます。


スポットデートがいつになるのかは市場の慣行で決まっていることであり、金融商品ごとに違っています。


トレードデートから何営業日後かという設定なのですが、株券などの場合は3営業日後となります。


これを「T+3」などとも表現されます。


為替のスポットデートは「T+2」であり、米国債などは「T+1」です。


金融マーケットではスポットデートのものがもっとも多く取引され、注文を出すときに何も指定しなかったら通常はスポットデートの価格を扱うことになります。

フォワード価格

たくさんあるバリューデートのなかで、スポットデート以外の受渡日をフォワードデートといいます。


フォワードデートでの値段はスポット価格にキャリイングコスト分が乗っかっているだけです。

キャリイングコスト

キャリイングコストは日数分に応じて決まりますが、それが変動することはほとんどありません。


ですからスポット価格とフォワード価格は連動してパラレルに動くことになります。


したがってスポット価格だけを見ていればよいということになるのです。

フォワード価格

スワップポイント

スポットデートのものだけを取引するといっても、次の日に持ち越すこともあります。


そのような場合には、どのような操作が必要となるのでしょうか。


次の日になるとスポットデートも次の日にズレることになるのですから、放っておけないはずです。


為替相場でドルを買ったとします。


買ったドルはスポットデートに入ってくるはずであり、その対価としての円もスポットデートに支払うことになります。


しかし支払うべき円価は持っていないのが通常でしょう。


ドルを取得するのが目的ではないからです。


そこでバリューデートを先延ばしすることを考えるのです。


スポットデートにはドルを売って、その翌日にドルを買い戻すのです。


これを繰り返すことによってバリューデートでの受け渡しを回避できます。


実際には通貨を売って買い戻すみたいな事は行いません。


単に1日分だけ先延ばしするのに、為替レートで調整するだけです。


この調整分をスワップポイントと呼んでいます。
スワップポイント

インカムゲイン

スワップポイントというのはキャリイングコストに相当します。


キャリイングコストですから、これはプラスになることもマイナスになることもあります。


ポジションを保有する際に必ず付随してくる確定損益ですから、インカムゲインに該当します。


株の配当などで顕著に見られるように、配当というインカムゲインを取りにいくつもりであっても、それは配当落ちというスポット価格の下落によって穴埋めされてしまうものです。


ですから配当取りをしにいったところで、経済的なメリットは何もないのです。


それと同様に為替相場においても、高金利通貨をロングで持っていたところで、毎日のバリューデート変更の時点で必ず権利落ちが起こるのですから「スワップポイントで儲ける」などということはありえないのです。