FXの利益には税金がかかる!損益通算や損失繰越を分かりやすく解説!

FXの利益には税金がかかる!損益通算や損失の繰越控除と合わせて分かりやすく解説!

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この記事で解決できるお悩み
  • FXの利益にはどんな税金がかかるのか知りたい
  • 国内FXと海外FXは税金が同じ?
  • 税金をごまかすと税務署にバレるのかな?

といった悩みにお応えする記事です。

FXで得た為替差益、スワップポイント、キャンペーンの利益は税金がかかるの?

為替差益とスワップポイントは合算して20.315%の申告分離課税、キャンペーンの利益は一時所得として総合課税になるぞ!


いずれも年末調整では完結せず、期限までの確定申告と納税が必要なので、手続き漏れのないよう注意が必要です。


この記事では、FXの税金の具体的な計算方法や税金がかかる基準をお伝えします。


記事内容を理解すれば、FX初心者でも税金の仕組みを正しく理解できますよ!


まずは税金がかかるFXの利益3つについて解説しますね!

FXの税金とは?課税対象の利益3つ

FXの税金とは?課税対象の利益3つ

FXの税金は暦年(1月1日~12月31日)に得た利益で計算します。


会計年度(4月1日~3月31日)や自分の好きな期間で計算するのは誤りです。


税金の対象となるFXの利益は、大きく分けて3つあります。


キャンペーンで得た利益だけ計算方法が違うので注意してください。

FXの税金がかかる利益3つ
  1. 為替差益
  2. スワップポイント
  3. キャンペーンで得た利益

1.為替差益

ひとつ目は為替差益です。


例えば1米ドル円=100円の時に米ドル円の買いポジションを保有し、1米ドル円=105円で買いポジションを決済すれば、5円の為替差益が得られますね。


この5円に対して税金がかかります。


ちなみに為替差益はポジションを決済した時点で課税されるので、未決済のポジションの含み益には課税されません。

2.スワップポイント

2つ目はスワップポイントです。


課税のタイミングはFX会社によって異なり、スワップ付与時またはポジション決済時です。


スワップポイントの税金の仕組みや節税のコツは、以下の記事で詳しく確認してください。

FXの税金はスワップポイントにもかかる!賢い節税方法について解説!

3.キャンペーンで得た利益

キャッシュバックや商品、金券、電子マネーなどのプレゼントキャンペーンで得た利益は、一時所得として総合課税されます。


課税対象になるのは、キャッシュバックや金券など金額がある場合はその金額、商品の場合は時価相当額です。


一時所得は50万円を超えた部分に2分の1を掛けた金額が累進税率で課税されます。


国税庁HPにあるとおり、累進税率は課税所得によって5~45%の7段階と決まっています。

参考 国税庁タックスアンサー「所得税の税率」

FXの税金の課税方式2つ

FXの税金の課税方式2つ

FXの税金は国内FXと海外FXで計算方法が異なります。

FXの税金の課税方式2つ
  1. 国内FXは20.315%の税率による申告分離課税
  2. 海外FXは累進税率による総合課税

それぞれの方法を具体的なケースで解説しますね。

1.国内FXは20.315%の税率による申告分離課税

国内FXは「先物取引に係る雑所得等」として次の計算式で申告分離課税されます。

国内FXの税金計算式
  1. 先物取引に係る雑所得等=(為替差損益+スワップ損益-必要経費)
  2. FXの税金=先物取引に係る雑所得等×20.315%

例えば為替差益65万円、スワップ損失5万円、必要経費10万円のケースの税金は、

1.先物取引に係る雑所得等=65万円-5万円-10万円=50万円
2.FXの税金=50万円×20.315%=101,575円です。

ちなみに20.315%は所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%で、住民税は普通徴収または勤務先の給料から天引き(特別徴収)のどちらかで納税します。

FXの住民税を会社に知られずに納税するには何か方法はあるのかな?

その方法はこの記事の後半で詳しく解説するぞ!

2.海外FXは累進税率による総合課税

海外FXは雑所得となり、本業の給与所得やキャンペーンの一時所得と合計して総合課税です。


海外FX、給与収入、キャンペーンの一時所得の有無に応じた計算例とセットで解説しますね。

海外FXの税金計算式
  1. 海外FXの雑所得=為替差損益+スワップ損益-必要経費
  2. 本業の給与所得=給与収入-給与所得控除額
  3. キャンペーンの一時所得=(キャッシュバック額+商品の時価相当額-50万円)×1/2
  4. 課税所得金額(1,000円未満切り捨て)=1+2+3-所得控除
  5. 所得税=4×累進税率
  6. 復興特別所得税(1円未満切り捨て)=5×0.021
  7. 所得税・復興特別所得税合計(100円未満切り捨て)=5+6

ケース1.海外FXのみのケース

海外FXで為替差益300万円、スワップ利益60万円、必要経費10万円が発生し、他の収入はないケース。

  1. 海外FXの雑所得=300万円+60万円-10万円=350万円
  2. 本業の給与所得=0円
  3. キャンペーンの一時所得=0円
  4. 課税所得金額(1,000円未満切り捨て)=350万円-48万円(基礎控除)=302万円
  5. 所得税=302万円×10%-97,500円=204,500円
  6. 復興特別所得税=204,500円×0.021=4,294円
  7. 所得税・復興特別所得税合計(100円未満切り捨て)=208,700円

ケース2.海外FX+給与のケース

海外FXで為替差益300万円、スワップ利益60万円、必要経費10万円が発生。


他に給与収入が650万円あり、所得控除が合計120万円のケース。

  1. 海外FXの雑所得=300万円+60万円-10万円=350万円
  2. 本業の給与所得=650万円-174万円=476万円
  3. キャンペーンの一時所得=0円
  4. 課税所得金額(1,000円未満切り捨て)=350万円+476万円-120万円=706万円
  5. 所得税=706万円×23%-636,000円=987,800円
  6. 復興特別所得税(1円未満切り捨て)=987,800円×0.021=20,743円
  7. 所得税・復興特別所得税合計(100円未満切り捨て)=1,008,500円

ケース3.海外FX+キャンペーンの一時所得のケース

海外FXで為替差益300万円、スワップ利益60万円、必要経費10万円が発生。


他にキャンペーンで75万円のキャッシュバックと時価5万円相当の食品をもらったケース。

  1. 海外FXの雑所得=300万円+60万円-10万円=350万円
  2. 本業の給与所得=0円
  3. キャンペーンの一時所得=(75万円+5万円-50万円)×1/2=15万円
  4. 課税所得金額(1,000円未満切り捨て)=350万円+15万円-48万円(基礎控除)=317万円
  5. 所得税=317万円×10%-97,500円=219,500円
  6. 復興特別所得税=219,500円×0.021=4,609円
  7. 所得税・復興特別所得税合計(100円未満切り捨て)=224,100円

ケース4.海外FX+給与収入+キャンペーンの一時所得のケース

海外FXで為替差益300万円、スワップ利益60万円、必要経費10万円が発生。


他に給与収入が650万円(所得控除合計120万円)あり、キャンペーンで75万円のキャッシュバックと時価5万円相当の食品をもらったケース。

  1. 海外FXの雑所得=300万円+60万円-10万円=350万円
  2. 本業の給与所得=650万円-174万円=476万円
  3. キャンペーンの一時所得=(75万円+5万円-50万円)×1/2=15万円
  4. 課税所得金額(1,000円未満切り捨て)=350万円+476万円+15万円-120万円=721万円
  5. 所得税=721万円×23%-636,000円=1,022,300円
  6. 復興特別所得税=1,022,300円×0.021=21,468円
  7. 所得税・復興特別所得税合計(100円未満切り捨て)=1,043,700円

国内FXと海外FXの税金の違い2つ

国内FXと海外FXの税金の違い2つ

国内FXには海外FXにはないお得な税制が2つあります。

国内FXと海外FXの税金の違い2つ
  1. 損益通算
  2. 損失の繰越控除

1.損益通算

ひとつ目は損益通算です。


損益通算では、一つのFX会社での取引で損失があった場合、他のFX会社での利益額から差し引いて、課税所得を小さくすることができるメリットがあります。


FX以外にバイナリーオプション、CFD、先物取引などの損益と通算して節税できます。


FXで利益が出ても他の取引で損失が出た場合は忘れずに損益通算しましょう。

2.損失の繰越控除

もうひとつは損失の繰越控除です。


今年出た損失を繰り越し、損失が出た翌年以降3年間の利益と通算できる制度です。


この制度を受ければ節税できるので、損失が出ても必ず確定申告をしましょう!

損失の繰越控除を受けるための条件
  1. 損失が出た年以降、毎年確定申告をすること
  2. 毎年の確定申告書に「所得税及び復興特別所得税の申告書付表(先物取引に係る繰越損失用)と「先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書」を添付すること
  3. 損失の繰越控除を受ける年分の確定申告書にも、2の書類を添付すること
この制度でどのくらい税金が安くなるのか、以下の記事「対策6.損失の繰越控除」で具体的なシミュレーションを確認しましょう。


他にもFXの節税策を紹介していますのでぜひ参考にしてくださいね!

FXの税金対策とは?利益を減らさない節税方法10個を解説!

安全に取引するなら国内FXがおすすめ

税金の損得よりも取引の安全性が保証されている国内FXをおすすめします。


なぜなら税金が安くてもトラブルに巻き込まれて元本ごと失えば大損だからです。

国内FXをおすすめする理由
  • 金融庁の許可のもと営業している
  • 信託保全がある
  • 出金詐欺などのトラブルが少ない
  • レバレッジを抑えた低リスクな運用が可能

FXの税金がかかる基準2つ

FXの税金がかかる基準2つ

FXの税金は一定の基準を超えた場合のみかかります。

FXの税金がかかる基準2つ
  1. サラリーマンは年間20万円
  2. 専業主婦・学生は年間48万円

詳しくは以下の記事で紹介するので、ここでは簡単に触れておきます。

FXの税金は利益いくらから?収入に応じた7つの事例で徹底解説!

ケース1.サラリーマンは年間20万円

年収2,000万円以下のサラリーマンは、FXの利益が年間20万円を超えると税金がかかります。


年収2,000万円を超えるサラリーマンは利益が20万円以下でも税金がかかります。


なお、税金がかかった場合は会社の年末調整では精算できず、必ず確定申告が必要なので手続き漏れに注意しましょう。

【FXの税金】サラリーマンがFXで稼いだ利益って税金かかるの?

ケース2.専業主婦・学生は年間48万円

無収入の専業主婦や学生は年間48万円を超えると税金がかかります。


この場合もFX会社では税金を精算できないので、自分で確定申告が必要です。


配偶者や親の扶養に入っている人がFXをする時には注意点があるので、後ほど解説するぞ。
【48・103・130万に注意】学生FXトレーダー向け税金解説!

FXの税金がかかったら確定申告が必要

FXの税金がかかったら確定申告が必要

FXの税金がかかったら、翌年2月16日~3月15日に住所地の所轄税務署に確定申告が必要です。

FXの税金は申告しないと税務署にバレる

FXの税金は申告しないと税務署にバレる

FXの利益は税務署に筒抜けです。


なぜならFX会社には取引情報を税務署に「法定調書」として報告する義務が課されているからです。


税務署はFX会社からもらった情報とトレーダーの申告情報を照合して、申告漏れや過少申告がないかチェックしています。


海外FXの場合、国内に送金する時に金融機関が100万円を超える送金の内容を「国外送金等調書」として税務署に提出することになっています。


100万円以下の送金では国外送金等調書は発生しないが、税務署は銀行口座も調べているのでFXの利益はいずれバレるぞ。

税務署にバレると加算税・延滞税がかかる

申告漏れや過少申告があったトレーダーには税務署から連絡が来ます。


申告漏れの場合は期限後申告になり、本税に加え無申告加算税(本税の5%)と延滞税(本税に対し年2.6%の日割計算)がかかります。


過少申告の場合は修正申告になり、支払うのは不足分の本税と延滞税です。


税務署からの連絡を無視すると職員が調査に来て、申告漏れや過少申告に仮装または隠ぺいがあったと認定されると、35%または40%の重加算税がかかります。


さらに悪質な脱税を行うと、脱税犯として刑事告発されるケースもあります。


加算税や延滞税は余計なコストとなるので、期限までに正しく確定申告をしましょう!

FXの節税対策

FXの節税対策

FXには税務署に目をつけられず合法的に節税する方法がいくつかあります。


例えばポジション決済のタイミングを調整して年間利益を基準額以下に抑えたり、必要経費を計上して利益を少なくする、両建てを行い損失ポジションのみ先に決済するなどです。


FXの税金対策の手法については、以下の記事で詳しくお伝えするのでぜひ確認してください!

FXの税金対策とは?利益を減らさない節税方法10個を解説!

FXの税金を会社に知られないための2ステップ

FXの税金を会社に知られないための2ステップ

FXの住民税を特別徴収にすると、翌年の会社の給与から天引きされるので会社にバレるおそれがあります。


会社に知られずにFXの住民税を払うには次の2ステップを踏んでください。

FXの税金を会社に知られないための2ステップ
  1. 普通徴収で確定申告する
  2. ネットバンキングで住民税を払う

    ステップ1.普通徴収で確定申告する

    普通徴収とは住民税を会社の給与から天引きせず、自分で支払う方法です。


    確定申告の時に住民税の納税方法で普通徴収を選択するのを忘れないようにしましょう。

    確定申告書第2表の「住民税に関する事項」の「自分で納付」欄に丸をつければ普通徴収にできるぞ!


    確定申告書作成コーナーで作成する場合は、「住民税等入力」画面から「住民税・事業税に関する事項」に進み、「1 給与・公的年金以外の所得がある方の入力項目」で「自分で納付」のラジオボタンにチェックを入れればOKです!

    ステップ2.ネットバンキングで住民税を払う

    地方税ポータルシステム「eLTAX」からネットバンキングの登録をして住民税を払います。


    金融機関によっては対応していない可能性があるので、詳細はeLTAXホームページで確認しましょう。

    参考 eLTAXホームページ「納税の手順」

    扶養家族がFXをする時の注意点2つ

    扶養家族がFXをする時の注意点2つ扶養家族がFXをする時は注意点が2つあります。

    扶養家族がFXをする時の注意点
    1. 一定以上の利益が出ると確定申告が必要
    2. 扶養から外れると世帯主の税金が上がる

    1.一定以上の利益が出ると確定申告が必要

    1点目は一定以上の利益が出ると税金がかかり、確定申告が必要になることです。

    税金がかかる基準はパートやアルバイト収入の有無によって異なるから注意が必要だぞ。

    詳細は以下の記事で確認してください。

    FXの税金は利益いくらから?収入に応じた7つの事例で徹底解説!

    2.扶養から外れると扶養者の税金が上がる

    扶養家族が減ると扶養者である配偶者や親は税金が上がります。


    扶養控除や配偶者控除は38万円~63万円の所得控除なので、扶養者の税率に応じて約2万円~28万円の税金がアップします。


    扶養家族が減ると増税だけでなく会社からの各種手当も減額されるケースがあるので、扶養家族のFX利益を上回る負担が扶養者に生じないよう注意が必要です!

    FXの税金の仕組みと確定申告の注意点まとめ

    FXの税金の仕組みと確定申告の注意点まとめ

    上記で紹介した「FXの税金の仕組みと注意点」を実践すると、FXの税金を正しく理解した上で取引できますよ。


    最後にもう一度、内容を確認しましょう。

    FXの税金の仕組みと注意点
    • FXで得た為替差益とスワップポイントは20.315%で申告分離課税、キャンペーンの利益は累進税率で総合課税
    • サラリーマンは年間20万円、専業主婦や無収入の学生は年間48万円を超えると税金がかかる
    • 税金よりも取引の安全のため国内FXを利用しよう

    「税金のことは詳しくないし、勉強するのが面倒」と感じるかもしれませんが、税金を正しく理解するのは国民の義務ですし、トレーダーとしても大切なことです。


    以下の記事もぜひチェックして、税金と確定申告の知識を深めてくださいね!

    FXの確定申告は全員必要?不利なく手続きするためのコツを徹底解説!

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